manualies/ブルーベリー
こんなはずじゃなかった
うまれてくる世界を間違えた
ノートに埋めた忌み名とか
教科書に挟み込んだ死骸とか
見ないふりをしていた
線の引き方は
誰も教えてくれなかった
特別なのうをもって
うまい技術もなかった
移動式黒板の 裏側に隠れて息をしていたかったのに
引きずり出してきて眼鏡猿が手を出して
教えてと言う
何を
何をさ
抱き寄せるその手の
べたつきに気が付かずに
ただ与えられるそれを疎まず
裏切りのように誰かが言う
それは鬱陶しいものだって言う
成程
その通りで
成程ですねと
教え込まれた
大人ぶった相槌を打ち
濡れた指先を突っ込んで
絵本のくま みたいに
舐めてる
独りで
プラスチックさえも
リサイクルされるのに
どうしてもこればっかりは
うまくいかない
そっと可燃ごみに硝子玉を忍ばせる
あの人は焼却炉で化粧瓶の爆発に巻き込まれた
べたつく手が
無造作にやったことだった
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