手紙/もっぷ
 
空のにびいろを映して
川面がはにかみながら
揺らいでいる
風の手のひらのなすが

ままに
ただしく海を目指しながらも
どこかに
屈託

これが、これがね
教えてあげる東京の色
知っているふりはしないで

さやかに恵まれているあなたの国の
川に架かった小粋な橋に靴を
脱ぎ捨てたことなど

まだ、無いわたしに

知っているふりは
しない

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