つむじ風の日/草野大悟
夕焼けの空を
黄金色の飛行機雲が
針となってのびてゆくその先に
たくさんの人々の虹がたしかに架かって
そのたもとを掘る人もたくさんいるけれど
それはそれでいいけれど
それらの虹を針は突き刺し
僕らの虹も針は突き刺し
突き刺された虹は弾け
七色の雪を降らせ
街のあちこちに降らせ
メリークリスマスの
LEDとなって輝いて
そんな街の小さなパブに
小さなつむじ風が吹いて
光が揺らめき
あなたは
あの時と同じように
倒れたけれど
錐揉みするように倒れたけれど
今度は
つむじ風を箒がわりに
月まで帰っていった
魔法のように
笑顔を残して
帰っていった
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