蛙/きや
「蛙」といういきもの。いや、いきものという表現は不適切かもしれない。彼等(本当はこの表現も不適切となるのだが今後使わせていただきたい)は神仏的な崇拝の対象、あるいは偶像の類であるから。
蛙は生きている天国。この世の地上に唯一存在する天国であると、昔に生きたとある詩人は表現していた。
天国がどうして虐げられよう。どうして敬われないことがあろう。私はかの詩人にひどく打ちのめされて今ここにいる。
「蛙」は美しい。ガリガリ啼いているだけじゃない。彼等には彼等なりの美意識があり、それに基づいて生きているのだ。
彼等は義理堅い。そしてひょうきんで、脆い。我慢強く、度胸がある。そして皆、幸福
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