「日はまたつづられる」/ベンジャミン
そしてこうしている間にも
つづられる一日のわずかを呼吸して
たとえば
「なのでした」という過去や
「なのです」といういまや
「なのでしょう」という未来に
静かに耳を傾けて
どうしようもない悲しみや
やりきれない辛さや
かかえきれない喜びや
あふれそうな嬉しさを
それが世界の一部であることが
まるで特別なことであるかのように
(たしかに、それは特別なことで)
まるで自分が広がっていくような心地で
(たしかに、それが自分を広げます)
ひとりでいてもひとりでないような
めくられる日々の小さなささやきに
何か返事を書くことも出来ないまま
そしてこうしている間にも
読みきれないほどの今日がつづられて
書き終わることのない今日をつづって
そうして開かれたままのノートが
閉ざされることもなくわたしのそばで
ただただつづられるのを待っています
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