エア・ポケット/梅昆布茶
 
ポエケットではなくエアポケット
チケットのない旅を君と

母が亡くなって最期は点滴でも間に合わない
栄養失調のまま昏睡状態で逝った

体格のいい人で骨壷に入りきらずに
納骨の係りの方に
あまり気にせずにつぶしてもらって
やっとおさまった 笑っていたが

僕もおむつを替えたがすでに女ではなく母でもなく
子供でもない骨と皮の存在の原型のような気がした

焼いてみると骨格は高度なバイオフィードバックの
いれもののような気もしてくる
ピアノを弾いて
スケートの選手で
恋もしたらしい

マザコンを自認する僕がすでにげんじつにはうしなわれた母を
詩で解消できたのか涙は
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