星の記憶/umineko
あなたと二人
見上げる最後の花火が消えて
暗闇に抱かれたまま
星空に私は願う
この一瞬を切り取って
すべてが止まればいいのにと
100万年後
アルタイルの科学者が
とんきょうな声を上げる
たった今、太陽系第3惑星の
スポット221084で
光量が突然増加し、消えました
予期せぬ発見
静かな興奮が走る
それを聞いた科学者の娘は
くすくす笑いで父に教える
それはね、流れ星が恋をして、
その星にキスしたの
恋をしたらね、星は光るの、
私たちのように
そう
私たちの一瞬は
時空を超えて
無限の夜空に溶けてゆく
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