詩/佐藤伊織
 
人間に詩があるように
犬にも
石にも
詩があるらしい


彼らの言葉を
聞く事はできないけれど
だれかが口ずさんでいるその
言葉は
本当は
あの
石ころも
歌っていた
あの


無数の言葉の中に
私の言語の限界を
越えていくものがある

言語の限界点は
一つの
沸き出し口であり

そこから
無数の
詩が
私たちに決して
知られる事もなく

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