霧の浅瀬/ルナク
 


歩いていました

水平線は見えません

とても見たかった水平線は
霧に隠れて 今日は いません

知っていました 本当は

ここは霧の浅瀬
いつもいつもけむっています

それは私のこころ

それは私の胸の中

この頃は そう
いつもけむっているのです

素足になって歩いてみます

九月の海は すこし冷たい

それでも私の
もやもやとしたこんな思いを
誰かのせいにするのではなく
思い知るにはちょうどいい

思い知るにはちょうどいいのです

霧の浅瀬を
歩いていました

今日はひとりで
歩いていました










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