続・田村隆一詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
 
があふれている。垂直にまっすぐ立つためには、骨格を持たなくてはいけないから、骨格を持った人間にあこがれるということですね。『緑の思想』(一九六七)以降は、骨格をなくした「クラゲ」になろうとしたという感じがするわけね。クラゲになると水平も垂直もありはしない(笑)。

 僕の言葉でいえば、「骨格」とは倫理性であり矛盾であり異化しようとする意志であるわけですが、いずれにせよ、中期以降の田村においては、垂直とか水平とかそういう契機が混ざり合っていて、混沌としていきます。



青い十字架

 ゴルコンダというインドのワインを飲んで そのワインは赤だったから その刺激的なタンニンの味が ぼ
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