ぎざぎざ/はるな
 
よるに
向かいあって
ぎざぎざした

あさが来てもまだ
ぎざぎざした

こころが
溶けあわないので
せめて
からだだけでも

寄りそってみても
ぎざぎざした

月が
真白にひかっている
めすの甲虫が
網戸に足をとられていた

しかし
ある日からは
ぎざぎざを
ちょうど
積み木のように
かさねることを覚え
ふたり
ぎざぎざしたままで
かさなっている


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