防波堤/風呂奴
 
夕焼けは葡萄酒
そしてウミネコたちは翼を広げる

水平線、
海と太陽が
昼と夜を描き分けるその場所で
羽ばたきは燃える

わたしの視力が
永遠に追いつけないその場所で
世界の一部始終が
透明に呼吸しているらしい

今日はウミネコで
明日は分からない


読んでいる「世界」は
200ページほどの質量しかない
明日
ウミネコはどのページも破らないまま
1枚の青空に
飄々と、風を見つけるだろう

防波堤からは 見慣れた風景しか見えない
どこまで見つめても
海原と上空との
永遠のにらめっこだ
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