からまる流れ/木の若芽
 
「からまる流れ」     木の若芽

光る雲が遠くにあるけど
暗い雲がその前に
戦艦のように動いていく
あちらこちらで震えてるものたちがいっぱいだ
この気配に
戦艦が初夏を発砲する

血は水よりもうねりくねり
泡立ちよどみ
絡まるように
じわじわ走っていく
体の中をめぐる血と
時の中を伝う血は
同じということができるだろうか
私の血は宇宙へほとばしり
父と母に 島の木々に 鳥の目に降りそそぐ
それでも聞こえている小川と樹液の流れ


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