都市の予告/takano
蒸れ沸く都市
浸り結ぶ地下道
廃液は沸点をふりきり
南国の氷点でさしとまる
積雪の外壁は日没とともに
霙の通路を水平にのばしていく
恣意なる磁場とその伸縮の確執は 無慈悲に逆さ如来の足首を縛り吊るす
電飾のうるおう河のながれは 無数の画素の瞳のなかで まだ乾いたままだ
中央公園の空風がふきつけるベンチに疲れたアシモが顎をかかえこんでいる
その背後から 片羽を女にくわれてダッチロールする足長蜂が背負われた氷函に軟着陸をはたす
擦れる捲る朝のホームだ
カメラ音のシャシャり捲る
留置所の春の挨拶のファイル
めくるめくダ
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