生き残されて/
灘 修二
夜が明けて
いつもの日々が戻ってきた
飾る言葉は何も見つからないが
飾らないまま
朝のやわらかな光の中で
こうして
過ごしていたい
自分の呼吸を友とする者には
太陽はまぶしすぎる
何もしない一日が
最も自分が満ちる一日
食べ物をとらず
古傷の上に
波に流された母の言葉をあてがって
過去の記憶の水を一服飲むと
私の中の水面が
わずかに浮上して
私の熱も下がっていく
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