手向け 名前だけ知っている/黒ヱ
 


ここまで 来てよ

あそこまで行って 知ろうよ

あそこまで戻って 考えてみてよ

君は 出来た筈だった

とても 悲しい


『 せめて、あちらではごゆるりと! 』


君 君の白く綺麗な身体は

もう既に 灰と煙になった

いつか いつか会いに行く

君の上にのしかかる

石の前に

そこで 僕を知ればいい


『 霊香を漂わせて、麒麟の背にしがみつき

君は何処へ行ってしまうの

僕の知らない顔、きっと、君は言ったんだ

ちいさい、とてもちいさい声で

僕の名を・・・ 』


さようなら
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