晴れ、のち/霜天
晴れ、のち
そこで途切れてしまったので
新聞をひらいてみるけれど
晴れ、のち
そこから先が空欄になってしまう
捜索願
明日の空模様はどのあたりで行方不明でしょう
夜中
日付を越えるあたりで
僕等は何かを沈めます
明日が雨、だったとして
傘を昨日へは置いていけませんし
明日が雨、だったとして
重すぎる悲しい話は持っていけません
晴れ、のち
その先で
大事に育てた花が
水を求めています
溢れるほどの雨を
ほんの少しの日差しを
予測不能の明日に
どんな服を着ていこう、と
見通せない空の端
地平の先
僕等は自然と重武装で
花壇にほんの少しの水を撒いていくのです
晴れ、のち、どこへ、どこかへ
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