卵白の向こう側/
藤鈴呼
とろり隠れる お月様
卵白の向こう側
膜が薄すぎるの
紗を纏う 太陽が
眩しくないのは 当たり前
今日は 曇天だから
光の粒を 雪の欠片と 見紛う程に
新鮮パックを貼って
目薬も塗らずに
そっと見詰めたら
地の上で 兎が微笑った
血の色の 瞳で微笑った
つい 触ってしまったから
電飾の街に 似合わぬ悲鳴が
ひらり
くらり
暗い夜空の哀しさ位
タムタムの音が 寂しく 光るの
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