夜めぐる夜 ?/木立 悟
も光も冬に降り
到くことなく宙に沈み
地にはふるえ 陰とふるえ
左目の踏切
ふりかえり飛び去り
血や水や しずくやかけら
受けとめきれずに泣く子のてのひら
指を上げすぎ
爪に星を呑み
ほどけ散る色
燃えゆく色
やって来るもの降り来るものの
空洞の軌道に指をまわし
何も持たないちからを奏でる
触れたら指が無くなるちから
水に映る灯がかちかちと鳴り
歩むものの上を光は歩む
径も色も水紋も
緑に落ちる緑を聴く
未明に招ばれ 未明を招び
あちこちで何かが焚かれ出し
煙は淡い鎖となって
遠くを遠くへ曳いてゆく
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