夜めぐる夜  ?/木立 悟
 




ひりひり冷たく廻る色
突然やんだり鳴り出したり
常にふいに聞こえくる影
長い長い長い径のうた


雨が降り
言葉は浮き
泡をつつき
外へ出てゆく


匂いは重く
背の骨に降り
ひとつおきの灯
眠る髪と頬


声がする うたになる
青と白 そのさかさまも
かけら かけら まわりながら
細い柱を削りゆく


右膝の光
径にあふれ
痛みを流れ
眠りの行方
しめし しめし


うすいうすい服を着て
空にも水にも出られない
雨のすきま 音のはざま
もうすぐ終わる 森の喉もと


去っても去っても在るかたちから
水も光
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