ホタル、きみはもう真っ裸じゃないか/草野大悟
おれの才能はただひとつ
きみをほんとうに好き、と
死んじまってからでも言えること。
玄関の横の向日葵の鉢植えの横で
腹筋しながら光っているのはホタル。
奴が男でも女でもどうでもいいことだけれど
(ホタルは、男が光るんだけどな)
どっちだか分からないそいつは
無意味とも思える腹筋運動を続けている。
冒頭3行を、繰り返し、繰り返し、反芻しながら。
去年の忘年会で飲み過ぎちまって折ったノヨ
「ほんとうに好きアバラ」2本。
「ありもしないアバラ骨折ったなんて、
かっこつけてるんじゃないよ、ったく」
ばっさり、きみからは切り捨てられるしサァ
もう、最悪(男がヒ
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