夏だ!/草野大悟
 


濁流は
そううそぶきながら
濁流である自分を誇り
そんなことねぇよ
などと
ニヒルな虚無を気取って
青空の下で
タイヤにのって羅干ししているミドリガメを
俯瞰している。

おそらく
たぶん
どこにも
そして、だれにも
幸せ
なんていう
幻は
降ってこない

川は
流れながら思い
川の流れを
あのころと同じように
流れている。

夏だ!!!
梅雨も明けたよ!!!


戻る   Point(2)