夏だ!/
草野大悟
!
濁流は
そううそぶきながら
濁流である自分を誇り
そんなことねぇよ
などと
ニヒルな虚無を気取って
青空の下で
タイヤにのって羅干ししているミドリガメを
俯瞰している。
おそらく
たぶん
どこにも
そして、だれにも
幸せ
なんていう
幻は
降ってこない
と
川は
流れながら思い
川の流れを
あのころと同じように
流れている。
夏だ!!!
梅雨も明けたよ!!!
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