匿名遊戯/雑魚ヒロシ
壱
よるはむらさきまひるはみどりあなたはましろにきえにゆきそぞろなゆびさきはまどいふるえる
煌々とぼんやりと嗚呼輝く月は秩序ある虚無を愛でる此の魂の止まり木
霊的な不変真理の一顕現たる小さな炎の中に浮かび上がるは我が心の罪と憧憬を映せしプロトゴノスの艶姿
精のうたかたから誕生せし女神の愛でるはたまゆらの永遠
宇宙卵は丸で音もなく弾け飛びそうして生まれた山の端の雲と海の向こうの残忍な晴れ上がり
ほかほかと或る種の類人猿のごとく愛以てめりはりなくダグラス窩を突く夢中な男の身体の下で女は黄昏時のエウロパとなる
地上の俗に塗れつつも霊魂
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