こどもはしっている/
朧月
小さな男の子と
女の子だった私たちは
なかみだけそのままで
古びてしまった
雨にふるえている
きのえだをみても
語り合ったりしないで
すれ違うばかりです
探し物はたがいの
胸の中にわすれて
ああ悲しいとつくため息で
そのめがねを曇らせる
こどもはムジャキだなんて
もうだれも信じていないのに
最後の砦のように
夢を託している
小さな男の子と女の子に
戻る
編
削
Point
(9)