指先が触れて/wako
な習慣を根気よく積み重ねて
小さな喜びをあちこちに仕掛けて
信頼を育んでいった
時を積み上げていった
あれは小さな城だったのか?
ある日
私達が区切った空のむこうから
かすかな音が伝わってくる
わずかに空気を震わせて
確かに何かが
私の背後に
小さな黒い点を見て
あなたは落ち着きを失っていった
そして
それが鳥の形になるのに
そう時間はかからなかった
足もとの砂は崩れ始め
足を取られてくずおれる
鳥の姿に魅了されたあなたは
寝ても覚めても空を見上げて
あれは闇夜に飛ぶオオジシギの声
闇に目が見えないなんて
誰が
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