素粒子たちの夏/吉岡ペペロ
 
ヒッグス粒子の

その存在を

つかまえようと研究しているひとがいる

証拠とアリバイを突き合わせてゆく

その仮説は

書きはじめられたミステリー小説のようだ

動機なき殺人事件が起こる

そこには犯人が存在する

幾人かの容疑者がいる

証拠とアリバイを突き合わせてゆく

犯人がつかまる


夏がまた来る

彼女が働いているあいだ

ぼくは彼女の部屋を掃除した

そうやって彼女の帰りを待っていた


ヒッグス粒子の

その存在を

つかまえようと研究しているひとがいる

証拠とアリバイを突き合わせてゆく

その仮説は

書きはじめられたミステリー小説のようだ

動機なき殺人事件が起こる

そこには犯人が存在する

幾人かの容疑者がいる

証拠とアリバイを突き合わせてゆく

犯人がつかまる






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