やがて冬/瀬崎 虎彦
 
身のうちに火を宿し
旅装を解くわれら
森の森閑として抜け目ない
眼差しの奥の
浮遊する電熱
白寂れ崩れるような
猫の背骨 たわんでなお軽く
湿地に降る雨のあいだに
城の姿を認めた
足は重く
身は冷たく
滴る水の声の真下に
幼少のころの苦々しい記憶
身を傷つけられて
涙をこらえつつ
炎のような眼差しでにらんだ
大人の切片
大きく野蛮な人形たちの輪郭
やがて冬
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