幼子の頃/藤鈴呼
 
可愛いな 食べたいな と
頭では 思うことが 出来るけど
首が 動かない
下を 向けない

上ばかりを見て
空ばかりを 感じて
嗚呼 キレイだね の 繰り返し

それでも 楽しかったんだ
歪むのは 虹の光
カラフル加減には
的も 限りも 無かった

認めてしまおう
もう この位で いいやって
暗い地面を 見つめるのは
涙が 流れたから

尺球の白菊は 夜空に咲く 冬の花火
スターマインは 信号じゃあ 足りなくて
紫色を そっと 足すのです

ケヤキ色の 光のページェント
ペイントされた 壁の落書きと
きっと 違わない

あなたの言葉に ハッとする
なぞるように カップの淵を
そっと 撫でた瞬間
あなたに 撫でられた
幼子の頃を 思い出した

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