我が家の匂い/
短角牛
晩
ただいま。 あぁ疲れた
一言伝えて 荷物をおろす
吐息に疲れが溶け込んで
部屋の空気で希釈され
貴女はその一部を吸い込み
体を廻らせ
その吐息に、思うところを溶け込ませ
それがそうして僕を廻って
僕はまた、何某かのどれそれを吐き出して
繰り返し 少しずつ更新されていく
場を満たしつつ 変わりゆく
洗剤を変えても 柔軟剤を変えても
変わらない
我が家の匂い。
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