目の前で起こる亡霊のダンシングはみんな過去のこと(月曜の深夜二時からの詩)/ホロウ・シカエルボク
 
かね…亡霊たちは死んだ、とおれは書く、おれは実際にそれを見たからなんだ、爛れて死んでいく亡霊たち、胞子のように消えてゆく亡霊たち、だけどそれはそうしたかたちをもって展開されたことではない、そういうかたちになるまでに今夜までの時間が必要だったってこそさ、だからこそ亡霊なんだ、だからこそ亡霊という存在でなければならなかったんだ、おれの言いたいこと分かるだろう、亡霊とはリアルタイムで描かれる過去の動きだ、ロックンロールのグルーブで撹拌される霞みだ、おれは小便して明りを消す、この詩を書いたことで少し眠るような素振りをしてみてもいいという気分になってきた、寝床に横になり、時計を見る、詩を書き始めてからだいたい四十五分が過ぎている、その時間のあいだおれは真っ当だった、だからおれはほんの少し誇らしく横になったのだ。



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