香水のようなもの/フミタケ
 
毎日毎日
同じところをぐるぐるまわりつづけて
何を期待しているのか
中学生になったばかりの子供のほうが
自分の現実を直視してるぜ
天体のめぐりのように
あの人生やこの人生が
自分の軌道に忠実にながれ
すれ違ったりぶつかったりを
くり返すことに
あけくれて
誰かの何かのはじまりは
誰かの何かの中途の出来事にすぎず
安っぽい気休めの
嘘で
でっちあげられた世界で生きようと
あがく君の知識の外にいる霊がふいに横切る東京の街は
やむことなく人に
飽きたり感動したりをくりかえし
震えながら低く唸りつづけて
とまらないまま

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