ポストマン/yo-yo
 
そのポストマンに
ぼくが初めて会ったとき
彼はひたすら
ラブレターを書きつづけていた
その時はすでに
ポストマンではなかったけれど


いちにちに
白い氷の丘をみっつ越えるんだ
と彼は言った
手紙の宛先はひとつ
おれの行き先もひとつ
ミエニアヴロ市トゥントゥリコルヴァ村8番地
ミス・イリナ・トゥントゥニン
世界一美しい彼女
世界中からラブレターが集まる
おれの配達かばんはいつも重かった
それは言葉の愛だから
たくさんの体ごとの重みだから
おれは顔を真っ赤にして運びつづけたさ


その日もいつものように
白い氷の丘をみっつ越えた
すると目の前に

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