海外旅行は簡単ではない/番田 
 

フランスの通りを歩いたことがあるが綺麗だと思える建物は見たことなど無かった。シャンゼリゼ通りもただの道に見えた。そういったことが起こってしまったのはなぜだろう。視覚的に美しいものを捉えること自体が、難しかったのかもしれない。例えば、歌舞伎町と渋谷の景観は全く違うのだということは、誰にでも理解できる。しかし、パリの場合は、マルセイユと比べたところでなかなか違いを感じることはできないのである。スペインやドイツを比べてみても同じなのだろう。フランスには美しい風景はどこにも存在しない。そうであると誤解するのは、まさに光のせいなのである。それはしかるべき距離からではないと感じることはできない。しかし歌舞
[次のページ]
戻る   Point(0)