夜めぐる夜/
木立 悟
灯のない径を
四つの影が近づいてくる
まぶたより空に近いのに
まばたきはくりかえし地に眩む
歪めるもの
貶めるもの
同じもの
それとは知らず
そこに在るもの
雨の残りが
街を流れる
高さも低さも
己れ自身も呑みこんでゆく
気づくと四人は居なくなり
またひとりになり地球儀を燃し
子は霧を聞きながら
はじめて淵を描いてゆく
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