星を眺めること/ブルース瀬戸内
僕のおじいちゃんはまだ子どもの頃
僕のおばあちゃんと結婚するんだと
何度も言い張って聞きませんでした。
そんな身勝手なおじいちゃんだけど
おばあちゃんは決して嫌がらなくて
ぜひ結婚したいわねと言ったのです。
それから都会に出たおじいちゃんは
全然違う人とおつき合いをはじめて
その人と結婚するのではと噂が流れ
それを聞いたおばあちゃんは泣いて
でもおじいちゃんが幸せならいいと
タオルで涙を拭きながら思いました。
それからというものおばあちゃんは
星空を眺めることが多くなりました。
星空を眺めると、時間の概念が揺れ
ゆっくりと流れているように感じて
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