いきつくところ/白詰ちゅか
 
すこやかな眠りのなかにいる
夜に沈みゆく胸の中
あたたかいよどみが根を張っている

迫りくる楽園の音
その手はつめたく喉にのびて
まだ、いつまでも、と言う

そうやって歩きつづけて
はだしは傷ついていく
こごえる冬の道を
ひとりで傷ついていく

さらさらと流れるなかで
確かに呼んでいるものを
順々に潰してゆこう

砕け散るあわいガラス
月に映るひかりの色
しろい息を殺さないように
溶ける雪がこぼれないように
見えないものにふと
祈ってみよう、とした
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