新しい夜景/風呂奴
金色のリキュールを注ぎあって
退屈を飲み干しあう
テーブルを囲む笑い声と
つまずく呂律の足し算が
あやふやな足取りを導いて
聴いたことのないステップが
ネオン街を叩いてゆく
大袈裟に音を外すたび
僕たちの喉は 夜景を揺らす
都会を抜けだして海で落ち合おう!!!
浜辺の砂が弾ける音に
耳を澄ませて夢を迎える
夜空が散らかす 星のきらめきに
シャンペンの味を思い出し
背中の砂を払いあいながら
砂浜に残してゆく 足跡の感触を
足跡は波にさらわれるけど
僕たちは その感触を
透明なスニーカーにして
また新しい街の
新しい海まで履いてゆくんだ
裸足のまんまで
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