藁/
草野春心
女よ、
きみが
歪んだ嘘をついた日には
茂る緑の淡い影を
湿った風が揺らしていった
それが
すっと吹きやむのを待って
赤い土のうえに、僕が
数本の藁をこぼすと
夏が微かに呻いた気がした
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