夏を待ちながら/
八布
じめじめと湿った梅雨をはさんで
僕が夏に近づいているのか
夏が僕に近づいているのか
ふたりの距離が縮まるほど
僕たちははだかに近づいていく
高まる気温に 僕はシャツを脱いで
高気圧の感覚に 空は雨雲を脱いで
そして八月 抜けるような夏空の下
僕たちはひとつになるだろう
恋人のように
雨のカーテンにさえぎられて
今はまだ 恋人の顔は見えない
夏を待ちながら
僕は今日も 不快指数とたたかっている
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