無題/葉leaf
 
形式で公開と隠匿を繰り返し、この宇宙の生成の中へとひとつの膨張する死滅を刻んだのです、書類の中で埃のように相対化された後、空中に他者のまなざしをいくつもいざなって、僕は生まれたときから幾度となく選挙され続けました、選挙は民主主義が鏡に映されその鏡が積極的に割れていったそのかけらです、民主主義は社会に対して繰り返された整形手術の産物、美しさと引き換えに家族愛を失ってしまいました、そしてまた雨を眺めて、雨が孤独をひとつ残らず殺していくのを眺めて、個人の尊厳というものの不遜な態度に腹が立ち、しかも国家と個人が尊厳を与えあっているという馴れ合いに吐き気がして、それでも国家は僕よりもずっと年上で何もかも巧みで、国家では常に物質と物質との果たし合いが行われていて、物質は流血し木々の中で安らぎ光を浴びて包帯を巻く侍女を犯します、僕は途切れ途切れの虚構の暗黒でいくつかの福祉がその鉄壁を脱ぐのを目撃しました、福祉と福祉が互いの機能を盗み合う現場で僕は最も根源的な安らぎを得たのです、現在という庁舎や意識という機関や感覚という書類が交錯する抒情的な風景に即して俳句を詠みました、

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