無題/葉leaf
 
雨を眺めて、雨が愛を一つ残らず殺していくのを眺めて、ふと人差し指の甲で鼻先に触れる、そんな行為にも法律の空間が潜在しているのです、鳥の声が縛られて記憶に焼きつく、そのまま水となり体内をめぐる、そんな巡行にも警察の哄笑が潜在しているのです、僕は孤独という海辺でいくらでも責任の波を再吸収したい、病める魂という願望の背中はいつまでも健康に発育している、そうして倫理の草花を鑑賞し、倫理の方程式を精密に解いていくのです、僕は生まれたときから多数でした、僕らであり彼らでありそれらでありました、そして僕を表象していたのは一枚の紙切れ、つまり出生届でした、僕はきらびやかな情報へと分解されて、その情報という論理形式
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