まぼろしの亡骸/ホロウ・シカエルボク
止めた、なにかが部屋の壁にまとわりついていた…俺はパソコンの電源を落として、ひとまず外へ出ていくことにした、着替えて、外に出ると、玄関の側に一匹の猫がいるのを見つけた…そいつは黙って俺のことを見ていた、そこには怒りはなく、悲しみはなく…ただ黙って俺のことを見ていた、俺は何も言わず、何も思わず、その猫と見つめ合った…やがて猫は踵を返し、いずこかへと去って行った…俺は出掛けるのをやめて、部屋に戻った…そこにはあの子猫の生首がひとつ、いつのまにか置かれていた…
映像は、どこかへ消えてしまった
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