拝啓 どなた様/
中山 マキ
も何でもいい
聞こえない誰かに繋がっている
顔も知らなくても
声を知らなくても
誰かに繋がってさえいれば
そんな無作為な安心感の中で
切ないとか辛いという条件反射に
何も知らないくせに
過剰に躊躇してしまう
それを迷いと、憂いと、
言ってしまえばいいのだけれど
それで流してしまえば
いいのだと思うのだけれど
嫌になるほど
こんなにも私は
宛てのない手紙でこんなにも
救われたくなるのでしょうか
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