「告白」を読んで/そらの珊瑚
 
に「人が死ぬのを見てみたかった」という文字があり、つい「人を殺したりしないでよ」と言ってしまった。子の心配をするのは親の仕事であるから。
 娘はジョークだと受け止めただろうが、母は半分本気である。
 私は人を殺したら、どんな理由にせよ、自分の命で償うしかないのではないかと思う。
 そこには本書で書かれているように「赦し」はないのである。生きている限りやり直せるという言葉は、人を殺した場合には当てはまらないと思っている。
 その信念を貫けば、もし子どもが人殺しになったら、私は子どもを殺さなくてはならない。
 人殺しとなった私は、自分の命を絶つしかないのである。本書のP277に「命は泡より軽
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