三つの短い散文詩/海里
 
。はい、これは全て星々の物語です。へべれけなベレニケ、すっぴんのスピカ、女神の両天秤、淑女な織女。


チューリップ、red two lips
なんでチューリップのことチューリップっていうのか知ってる?昔々いたずらなキスが大好きな春の妖精がいてそこいらじゅう何にでもキスしては飛び歩いて飛びまわっててとうとう神様に叱られた。ちょっとは反省しておとなしくなれと赤いふたひらの可憐なくちびる、その可愛らしくて可憐なくちびるだけ残して唇おばけにされちゃってでも毎年春が来るたびに赤い花ひらいてひのひかり浴びて笑い声ひろげて春のピアノひいて全然反省してなくて神様も笑ってしまってその花がその通りに咲
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