終わっていく文化/番田 
 

2000年に入っても芸術や音楽の中では目立った動きを容易に見いだすことはできない。そのようなことを考えていたら、すでに2010年すら通過してしまっていた。恐らくもう、我々の前には我々自身の感覚を驚愕させるような作品は絶対に現れないであろうことが予感される。例えば新しいと感じられる作品は、次の瞬間には最も古い感覚に差し変わっているのである。それは商業デザインやサブカルチャーのジャンルにおいては顕著であるけれど、誰もがそのようなどよめきの中に巻き込まれていて、あたかも、自分がどのような観点においてものごとを感じているのかすらもすでに認識していない。それはあたかも、経済活動の中に巻き込まれていく若い
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