ギャンブラー/
青陽太
死の淵に落ちた札束を
俺は拾いたい
恍惚の光る目を持つ同志を出し抜いて
汗を吸って生を吸って重くなった紙幣に己の欲望を託す
全てを失っても胸を張って歩く
愛を捨て欲望の渦に巻き込まれ泳いでいる
生死を賭けて狩りをすることも無く
人妻を亭主の横で犯すスリルも無い
それならと、札束を殺す博徒
貧乏の綱に縋り生き抜く道化師
風に吹かれ舞う汗と苦悩の紙切れ
渇いた喉が水を求める様
その中に今日も俺はいた
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