未季明/
木立 悟
映すことが赦されて
泥のなかのひとかけら
欠けた歌の ひとかけら
誰も色を尊ばない
羽の数も 背の歪みも顧みない
どこかへ行こうとするものらを
ひきとめることさえしはしない
あふれ あふれ あふれすぎて
あふれぬものを知らぬ光が
ひとつの永い曇の下で
にぎやかな顔を聴いている
うすくひろがり
居つづける朝焼け
樹を束ね 樹を束ね
明けなさを明けなさに梳いてゆく
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