バタ足/nonya
 
時もあったのだが

バタ足

思うように進めないけれど
ちっとも素敵じゃないけれど
今はバタ足が嫌いではない

なんて

嘘だ

それは諦めだ
それは負け惜しみだ
それは慰めだ
それは自分らしさの
情けないアピールでしかない

毎日が大海原なのだから
不様な水飛沫を笑われようと
不器用な息継ぎを疎まれようと
ジタバタと浮かび続けるしかない

このバタ足が
たとえ幸せでも
たとえ不幸せでも



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