喀血するリリックの落ち窪んだベイビー/ホロウ・シカエルボク
例えば路上で誰かが、吐き出された俺の血だまりを見て、なにかを感じるだろう…もしもそれが俺の知り合いなら、間違いなく俺がどこかに書いた詩のことを思い出してくれるはずさ―俺は不具合を愛しているし、俺はハムノイズを愛している、俺は制御出来ない魂を愛しているし、内臓の臭いのする言葉を愛している、スピードの中で…なあ、生まれたとき、どんなふうに生まれてきた?思い出せるだろう?どんなものの中を潜り抜けてきた?いまなら思い出せるだろう?どんなことを考えていた?お前はその時、どんなことを考えていた?俺にはなんとなく思い出せるぜ、ウンザリするような母親の産道のなかを圧迫されながら潜り抜けるとき―きっと俺はやがて目にするだろう光のことを考えていたんだ…。
戻る 編 削 Point(2)